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2015年10月3日土曜日

何が美味しいか

野草とは言っても、普段採取に行ってる場所でとれるものはかなり限定的。
種類はすごーく限られています。
その狭い範囲の中での今の時点での評価です^^



場所的な問題なのか季節は実のところあんまり関係ありません。
日射が多く比較的暖かいからかもしれませんが、冬でも(一般的に)初夏のものとされる花を見ることもありますし…
もちろんそこは植物によるのでしっかり春の一定期間にしか存在しない春の草花というのもあります。


年間とおしてだいたいいつでも採取できるもの・・・・  たんぽぽ
具体的にはセイヨウタンポポです。在来種は季節限られていますしあまり見かけません。 
日本でタンポポを食用…というとだいたい根の方をさすと思います。
タンポポコーヒーが有名。カフェインのない代用コーヒーですね。

けれど、私自身は葉の方に注目しています。
写真で見ると大きさがわかると思いますが、これくらい大きくなったものが特に好き^^
葉は1枚ずつ天ぷらで揚げることが多い。。 小さい若葉しか取れない時期ではまとめてかき揚げ風にします。

根も揚げることが多いのですが、タンポポの根採取はけっこうな労力必要ですから最近はやっていません。
葉はできれば手摘みの方があとで洗うときに楽です。

天ぷら以外には、汁物の具にしたり炒め物かな・・
たんぽぽの味を前面に出すにはそちらの方が向いていますが、独特の苦味・クセのある味なので全ての人が美味しいと感じるかはちょっと微妙かも。
味は違いますけれど、春菊が好きって方でしたら食べ慣れる味だと思う。



年間とおしてだいたい採取できるもの・・・・  アカツメクサ・シロツメクサ
四つ葉のクローバーでおなじみのクローバーです。
花の色が違うだけでなく、別種の植物なのですが・・・ アカツメクサの方がサイズが大きいです。

花期が何度もあるからなのか、 1年のあいだに収穫できる機会が幾度も訪れます。
咲いてない期間も長いですが、、咲き始めると一面を埋めます。それを1年のうち何度も見かけるような感じ・・・

葉も食用ですが、個人的には花のみ採取。
これは天ぷらでしか食べたことがないです。
アカツメクサは特に酸っぱさがあってとても美味しいです^^

小コロニーから始まってだんだん拡大・・群生・・・一面を埋めていくような感じですね。
タンポポとは仲がそこそこ良いようで、エリアの奪い合いは起こらないみたい。



年間とおして高頻度で採取できるもの・・・・   スギナ
春に”つくし”を出す(根の部分で繋がってます)あのスギナです。 
食用として”つくし”は有名だけどスギナは一部のみで知られた存在なのかな?

葉が横に広がりきったものは収穫時期としてはちょっと遅いので、葉(というか棒状ですが)が上を向いてる若いものが良いです。

スギナは佃煮とかお茶とか利用法いくつかあるのですが、私はこれは天ぷらにします。
衣を吸わせて軽く絞る感じ。 ボリュームのある天ぷらになりますw
尚、、スギナは軽く煮る程度じゃ全く食用に適さない・・・・ 木の皮食感そのもので咀嚼できませんから汁物の具には全く不適当です。
下処理に時間かけるなら用途も広がりますが短時間で食べられるものに仕上げるのなら天ぷら一択ですw
他のどの植物とも違う、かと言って大型菌類とも違う変わった植物w
薬効成分が強い分、摂取しすぎに注意が必要ですけれど…それ以前に持病・体質に合うか?は重要です。
それくらい強いです。

春に一瞬だけ見かける・・・・ 土筆
つくし
つくし(写真は2016/3追加)
雨のあとにいきなり出てきたりしますけれど、地上に出て胞子を出すと惚けてもう枯れ始めます。
運良くタイミングがあってたくさん採れるか・あるいは全く採れないかのどちらかです。
なので土筆の採取は ”土筆を…”って明確に目的もって1、2日くらいのスパンで見回り歩く必要あるかもしれません。

料理としては〜 
はかま外してお湯で2、3分煮てしまえば何にでも使える食材になりますけれど、私自身は1分少々下処理として煮てから佃煮にするのが好きです。
煮すぎるとアク以外の旨みも逃げてしまうからですが… 苦味耐性があるかどうかシビアな面もあるのでそのへんの判断は自由だと思います。 
何の味と聞かれると難しいんですけれど、、苦いかにみそ・・・ またはホヤっぽい味とも言えるしともかく植物らしくはないです。
そしてとても困ったことに・・・・この妙な苦味が激美味しいんです。1年のうち春限定。 しかも運任せのある瞬間でしか採取できない食材なのに美味しいから 。
尚、土筆が出てくる頃に新しいスギナもはえてきます。土筆の付近を探すとすぐ見つかりますが超新芽的なスギナです。


春に収穫できるもの・・・・  カラスノエンドウ
4月の比較的短い期間のみですが、カラスノエンドウは美味しい!
個人的に好きなのは花がついてるかどうかぐらいの頃の上の方の新芽の部分。 この部分を手摘みします。
マメ科ソラマメ属ですから、葉も豆風味ですw
私はこれも天ぷらにすることが多いけれど、性質的にどんな調理でも対応できる食材だと思います。

採取できる期間そう長くはないですが、4月はもう雑草のように街中いたるところで見かけますしいつもの採取地ではカラスノエンドウのみ広大なエリアが!って状態になります。
そんな取り放題状態なのに同時に美味しいから。。
尚、カラスノエンドウの花のまわりには必ず大きい羽虫がいて取り合いになりますけれど、そこは自然界のコミュニケーションを楽しんでください。



冬前後にとれる・・・・  アブラナ(…の根)
冬に見るアブラナと春に見るアブラナ… 全く別の植物のように様子がだいぶ違います。 
春の菜の花に文句を言いたい! あんた冬はロゼットだったでしょ! 姿違いすぎ! って・・・・

冬はニンジンサイズ以上ダイコン未満の大きい根を持っていますが、葉とともにこれを食用にします。
根の部分は軽く衣を付けて揚げるとお芋みたいな感じになるんですけれど浅漬にも使います^^
アブラナ根の浅漬なんて聞いたことないですが、まぁ普通に食べられますw

葉の部分はご飯と一緒に炒めるとかが多いかな。それも葉を大量に使って!
お味噌汁の具にもしますけれど色々利用できます。

春になると根は養分を上に吸い上げられてしまいますけれど、ここからがアブラナの本領発揮というか菜の花として一面を黄色く染めてしまうのですが・・冬採取の葉・根より花を咲かせる直前の状態のが食用としては有名ですね。

実は当初、これと一緒にカラシナも採取していたようで、その合わせ技なのか調理後はダイコンと同じ味になっていましたw
だからダイコンと同じ使い方ということで浅漬にもしていたんです。
辛味成分強かったのはきっと混ざってたカラシナのせいだと思います。

ここに書いてるとおりアブラナの根は食用になりますが一般的ではありません。
流通するものは春の菜の花(新芽・つぼみ・太茎)ですけれど、それを含めると11月初旬〜3月いっぱい採取できる植物です。


春の定番と言えば・・・・菜花
菜の花
菜の花(写真は2016/3追加)
CLANNADで菜畑がよく出ていたので
一口に菜花と言ってもアブラナだったりカラシナだったり、菜と言えば葉菜類を指しますから、春の草原にある植物で食べられるものを全部そう言っちゃっても過言ではない的な・・・・
メジャーなのはやっぱりアブラナが花を咲かせる前の蕾&新芽部分ですね。
料理はお浸し・天ぷら・佃煮・炒め物・・・ 万能で何やっても美味しいです。
注意点としては菜花は自らダシを出すので調味料は凝らない方が良いみたい。
キホン的にこんぶダシっぽい旨みを出してくれるので、それを意識した調理方法で良いと思います。
天ぷらにした時は、是非美味しいつゆを作って御飯の上に揚げたてのせてからつゆかけましょう〜 精進天丼ですけれど、ものすごく美味しいです。

葉・茎が多くとれたな〜という時は炒め物がオススメ。油・塩コショウで炒めて最後にちょっとお醤油で風味つければできあがりですが、、御飯と一緒に激しく炒めてチャーハン的な何かw それも美味しいです。

ところで… 菜花採取と言いつつ、実際にはアブラナだけでなくカラシナやワサビナも採っています。
そばにはえてるので一緒に摘んでおこう…みたいな感じすけれど、ワサビナは葉のカタチが明らかに違います。
また、カラシナ・ワサビナは当然辛味成分が含まれています。


雑草度一番高い・・・・ ギシギシ

どこにもはえてて雑草度高いのはオオバコも一緒ではあるんですけれど、ギシギシってそもそも食べられる野草としてあんまり知られてない気がします。
食べられない&どこにでも生えてる…だと雑草になってしまいますよね。。
実は他の野草と同じく強い薬効を持ってるギシギシです。
シュウ酸含むので生食は避けたほうがいいですが個人的には天ぷらが気に入ってます、
尚、ギシギシはあちこちに生えて…はいますけれど、季節・生育・環境でけっこう姿が変化します。
また、スイバや近い種類のものもけっこう混ざってます。
どちらにしても食べられるのでオッケーなのですが採取してきたのがスイバ(スカンポ)だったりすると想定外の酸味でちょっと焦ります。


野草の定番・・・・  オオバコ
どんな調理にも向きますしどこにでもはえてます。
でも、花と綿毛でアピールするタンポポと違って見落とす率が高すぎて雑草と同じ扱いを受けがちですw

私自身も「今日はオオバコを取りに行こう!」って行動目的にあげないくらい地味で印象を与えない存在。
けれど調理では万能に使えます。

視界に入って気付く感じかな〜
群生って感じでかたまってはえてるわけではないので意識して探そうと思うと逆に見つからなかったりします。あちこちにはえてるのに見つからないとはいったい〜^^;


目線の高さで必ず見つかる・・・ ムカゴ
写真は自宅の庭で収穫したヤマノイモムカゴですけれど目線高さで見つけることができます。
一部で流通してるようですけれど都市化進んだ町の中でもあるのでその気があればゲットできますw
但し、採取タイミングがけっこう難しくてツルについてはいるものの触るだけで落ちるくらいのものが理想で、、もちろん地面に落ちてるものを拾うでもいいですが場所によっては気になりますよね。
味は・・・ 濃い味のじゃがいもです^^ 
このムカゴがどういう具合に見つけられるかは以前外で撮った写真があるので、こちらをご覧下さい。



【あとがき】
野草と言うと、ひたすら続く緑の風景の中に山やキレイな小川があって…みたいな場所でないと採取できないってイメージありますけれど、案外どこにでもはえてるものって多いと思います。
流通してる調整管理された野菜を買えば調達も早いかもしれませんが、そういうシステムの上にのっているものは脆い部分もありますから自然災害時の備えとして・代替としての選択肢を増やしておきたいというのがそもそもの始まりでした。

何がどこにいつ頃はえてて・・・ それはどういう調理が向いてて・・・・ とか知っているとこれは強いです。気を付けなくちゃいけないのは自宅から徒歩自転車で行ける範囲で採取できるものであること。
車や交通機関利用しないとダメなの(燃料消費の上成り立つもの)はそもそも意味がなくなります。

あと、野草の見分け方は実際に繰り返しやって慣れていないととても難しいです。
ネットで写真や絵図を見てただけ・調理方法を調べただけだと手も足も出ません。

例えば、タンポポは葉のカタチは成長度合い・日照・その他環境によってかなり違いが出てきます。
たかがタンポポ探し・・・と軽く考えてしまう部分ですが、黄色い花を咲かせて綿毛もつけて… この条件を満たすのにタンポポではないという植物にも普通に出会います。

食べられればオッケーという大雑把な枠で考えればタンポポと間違えてノゲシ採取してても、カントウタンポポのつもりで採取したのがセイヨウタンポポでも大きな問題ではないんですけれど、、植物の中には似てるけれど猛毒というものもあります。 

あと、採取地にはえてるものは全て雑草…的に、自治体扱いの上では定期的に除草されるか放置されるかだけで、有毒種のみ駆除されてるわけではないですから採取地で出会う正体不明な植物・・・ それ触るだけでNGかもしれません。
いつも通ってる採取地には触るだけでNGなもの…3種既にみつけてありますが、こういうのって実践で身につく知識だと思うんです。

こんな具合に、危険な部分が隣り合わせで誰も安全を保証してくれないものではあるんですけれど
一つずつ知識として吸収していけたら、これはほんとに強いです。

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